专利摘要:
銅又は銅合金基材の表面の耐腐食性を向上させるための方法を開示する。該方法は、浸漬置換めっきによって銅又は銅合金基材の表面上に貴金属を含む金属表面層をデポジットする工程、並びに貴金属表面と相互作用し保護する少なくとも1つの官能基を含む第一有機分子と、銅表面と相互作用し保護する少なくとも1つの官能基を含む第二有機分子とを含む水性組成物に電子デバイスを暴露する工程を含む。
公开号:JP2011505492A
申请号:JP2010535028
申请日:2008-11-18
公开日:2011-02-24
发明作者:アントネリス,テオドア;エイビス,ジョセフ,エイ.;サン,シェンリャン
申请人:エントン インコーポレイテッド;
IPC主号:C23C28-00
专利说明:

[0001] 本発明は、電子デバイス及びマイクロ電子デバイスの製造において用いられる銅基材の耐腐食性、はんだぬれ性及び耐摩耗性を向上させるための方法並びに組成物に関する。]
背景技術

[0002] 金属表面コーティングは、一般に耐腐食性及び他の所望の機能特性を付与するために、電子デバイス及び装飾物に適用されている。銅基材また銅合金基材を含む電子デバイスは、主として耐腐食性、高表面接触伝導率及び耐摩耗性を付与する金属表面コーティングで被覆されている。該金属表面コーティングは、典型的には貴金属、特に銀及び金を含み、これが優れた耐腐食性をもたらす。]
[0003] 例えば、プリント回路基板製造において、銀の薄層ははんだぬれ性保護物質として銅回路上にデポジットしてもよい。銀は、通常浸漬置換めっきによってデポジットし、ここでめっき組成物中に存在する銀イオンが、以下の反応に従って表面銅原子と接触し、表面銅原子によって還元される。



該還元酸化反応は銀イオンを銀金属に還元し、銅基材上に接着性銀層を形成する。該工程は、一旦銅表面が銀の層で被覆されると、もはや銅原子がさらなる銀イオンを還元しにくいという点で自己制御式である。銅上の銀浸漬置換膜の典型的な厚みは、約0.05ミクロンと約0.8ミクロンとの間であり得る。例えば、あたかも全てを説明するように参照することにより本明細書に取り込まれる、米国特許第5,955,141号、6,319,543号、6,395,329号及び6,860,925号の開示を参照のこと。]
[0004] 銅のリードフレーム及びコネクタの製造において、並びにPCB製造での代替仕上げとして、耐腐食性及び増強された耐摩耗性用の銅基材上の金属表面コーティングとして金を適用することができる。典型的には、金を直接銅基材上にデポジットせず、介在する卑金属下層にデポジットする。該卑金属下層、典型的には、無電解性デポジットニッケルを銅又は銅合金基材上にデポジットする。卑金属は拡散障壁として役割を果たす。次いで、金、パラジウム、又はそれらの合金等の貴金属上層を、主として浸漬置換方法によって、卑金属下層コーティング上にデポジットする。貴金属上層は耐腐食性、耐摩耗性及び高伝導率をもたらす。従来の無電解ニッケル−浸漬金法(一般にENIG法と称される)では、無電解デポジットニッケル下層は浸漬めっき金上層の硬度を増大させる。この金属表面は一般に「ニッケル−硬化型金」、又は単に「硬質金」と称される。これらのコーティング上の変形には、卑金属合金下層、貴金属合金上層、並びに2つ若しくはそれ以上の卑金属下層及び/又は2つ若しくはそれ以上の貴金属上層を含む金属表面コーティングが採用される。]
[0005] 金及びパラジウム等の貴金属の使用の明らかな不利点は、費用がかかることである。費用効果のあるコネクタは、所望の機能特性を犠牲にすることなく可能な限り薄くした貴金属コーティング層を用いる。従って、産業は、一般的に電子コネクタ上で約1.0μmの貴金属層を採用する。より薄い層は、コーティング中に高度に増大した多孔性の不利点に悩まされる。動作時間とともに、高い多孔性を有する薄層は、表面への卑金属及び銅の拡散に対して効果がなくなる。腐食性環境下では、露出した卑金属及び銅は腐食し、腐食生成物がコーティング表面上に移動して表面の接触伝導性を悪化させ得る。さらに、貴金属薄層は塗布の間に摩り減り、コネクタの有用な寿命を短縮させ得る。]
[0006] 浸漬めっき貴金属コーティング、例えば銀及び金で見られる特有の問題は、銅と貴金属との間における特定のはだか銅界面での銅塩のクリープ腐食である。例えば、浸漬銀置換めっき工程は、PCBにおいて、特に孔を介してめっきされた高アスペクト比のブラインドビア(blind vias)では充分に銅配線を被覆することができない。これらの位置での腐食は、ビア(vias)及び孔を介してのめっき周辺でそれ自体アニュラ・リング(annular ring)となって現れる。]
[0007] さらに、銀は周囲、特に紙加工設備、ゴム加工設備及び高汚染環境に存在する、還元された硫黄化合物(例えば、硫化水素)によって硫化されやすい。銀の充分な硫化が、銅を周囲に露出し得る局在化された孔をもたらす。湿度や周囲の汚染物質は、銅を酸化したり硫化したりすることができ、銀層中の孔を介してクリープを起こし得る銅塩を形成する。]
[0008] 一態様において、本発明は、銅又は銅合金基材の表面の耐腐食性を向上させる方法を対象とする。該方法は、銅又は銅合金基材の表面上に貴金属を含む金属表面層をデポジットする工程;並びにその上に金属表面層を有する銅又は銅合金基材を、(a)貴金属表面と相互作用し、かつ保護する少なくとも1つの官能基を含む第一有機分子、(b)銅表面と相互作用し、かつ保護する少なくとも1つの官能基を含む第二有機分子、及び(c)界面活性剤を含む水性組成物に暴露する工程を含む。]
[0009] また本発明は、銅又は銅合金基材の表面上に銀及び/又は金コーティングを有する銅又は銅合金基材の表面の耐腐食性を向上させるための組成物を対象とし、該組成物は、(a)チオール(メルカプタン)、ジスルフィド、チオエーテル、チオアルデヒド、チオケトン及びこれらの組み合わせからなる群より選ばれ、約1g/Lと約10g/Lとの間の濃度であって、貴金属表面と相互作用し、かつ保護する第一有機分子、(b)第一級アミン、第二級アミン、第三級アミン、窒素を含む芳香族複素環及びこれらの組み合わせからなる群より選ばれ、約1g/Lと約10g/Lとの間の濃度であって、銅表面と相互作用し、かつ保護する第二有機分子、並びに(c)界面活性剤を含む。]
[0010] 他の対象及び特徴は一部明らかであり、一部以下に指し示す。]
図面の簡単な説明

[0011] 図1は、その上に浸漬めっき銀層を有する銅基材の表面上に付着した2つの分子及び形成された保護有機膜の図である。
図2A〜2Dは、実施例1の方法に従って浸漬めっき銀で被覆した浸漬銀めっき銅試験片の写真である。銀めっき銅試験片は、実施例2の方法に従って多孔性試験を行った。
図3A及び3Bは、実施例4の方法に従って多孔性試験を行った浸漬銀めっき銅試験片の写真である。
図4A〜4Fは、実施例8の方法に従って多孔性試験を行った浸漬銀めっき銅試験片の写真である。
図5A〜5Eは、実施例9の方法に従って多孔性試験を行った浸漬銀めっき銅試験片の写真である。] 図1 図2A 図2B 図2C 図2D 図3A 図4A 図4B 図4C 図4D
実施例

[0012] 本発明は、その表面上に金属コーティングを有する銅基材に保護有機膜を適用する方法及び組成物を対象とする。一の実施態様では、該金属コーティングは貴金属を含む。一の実施態様では、該方法及び組成物は、銀を含む金属コーティングに保護有機膜を適用する。その一の実施態様では、銀を含む金属コーティングを浸漬置換めっき工程によって適用する。他の実施態様では、該方法及び組成物は、金を含む金属コーティングに保護有機膜を適用する。その一の実施態様では、金を含む金属コーティングを浸漬置換めっき工程によって適用する。]
[0013] 保護有機膜は、その上に貴金属の層を有する銅又は銅合金基材のはんだぬれ性を保護する際に用いるのに特に適している。本発明の有機保護膜を保護するのに適した銅基材としては、プリント回路盤、チップキャリア、半導体基材、金属リードフレーム及び他のはんだぬれ性銅基材における銅電気回路が挙げられる。これらの基材を、貴金属、特に銀、金、又はこれらの組み合わせを含む金属コーティングで被覆してもよい。]
[0014] 銀浸漬置換めっきは、プリント基板(PCB)製造において、銅導電特性のはんだぬれ性と孔を介してめっきされた銅とを保持するのに特に好ましい方法である。銀浸漬めっきは、一般的に約0.05ミクロンと約0.8ミクロンとの間、典型的には約0.15ミクロンと約0.40ミクロンとの間の厚みを有する銀層を生成する自己制御式方法である。特定の浸漬方法及び組成物は、幅広い範囲外に厚みを有する銀層をめっきすることができる。上記のように、浸漬めっき銀は、銅及び銀間の特定のはだか銅界面で、特にPCB基板で孔を介してめっきされた高アスペクト比のブラインドビア等での銅表面を充分に保護できないおそれがある。さらに、浸漬めっき銀コーティングは、特に高い汚染環境では、硫化及び酸化によって孔形成の影響を受けやすい。従って、本発明は、銅表面上、加えて浸漬めっき銀コーティングに腐食保護の層を与える保護有機膜を適用する方法を対象とする。それ故、一の実施態様では、保護有機膜を適用する方法は、その表面上に浸漬めっき銀コーティングを有する銅基材を、浸漬めっき銀コーティングの耐腐食性を向上させるため、並びに銅導電線及び孔を介してめっきされた銅のはんだぬれ性を保持するための組成物に暴露することが必要となる。]
[0015] それ故に、本発明は、さらにかかる組成物を対象とする。本発明の組成物は、貴金属表面と相互作用し保護する少なくとも1つの官能基を含む有機分子を含む。特に、該有機分子は銀表面、金表面、又は銀及び金の双方を含む表面と相互作用し保護する少なくとも1つの官能基を含む。かかる有機分子は貴金属層中の孔を充填するのに有効であり、これによって銅のクリープ腐食を抑制し、そして貴金属の表面を自己組織化された保護有機膜で被覆するのに有効である。]
[0016] さらに本発明は、銅表面と相互作用し保護する少なくとも1つの有機官能基を含む有機分子を含む組成物を対象とする。かかる有機分子は銅表面と反応することができ、これによって、銅表面を腐食し得る水、周囲の湿気及び他の汚染物質への暴露を抑制することができる自己組織化された保護有機膜を形成する。]
[0017] さらに、本発明は、貴金属表面と相互作用し保護する少なくとも1つの官能基を含む有機分子と、銅表面と相互作用し保護する少なくとも1つの有機官能基を含む有機分子とからなる組成物を対象とする。]
[0018] 一の実施態様では、貴金属表面と相互作用し保護する少なくとも1つの官能基を含む有機分子は硫黄原子を含む。硫黄原子を含む官能基としては、チオール(メルカプタン)、ジスルフィド、チオエーテル、チオアルデヒド及びチオケトンが挙げられる。該組成物は、チオール(メルカプタン)、ジスルフィド、チオエーテル、チオアルデヒド及びチオケトンの組み合わせを含んでいてもよい。特定の理論に縛られることなく、硫黄原子の孤立電子対が硫黄−貴金属結合を形成し、それによって貴金属コーティング層上に保護有機膜が自己組織化され、ここで該膜には貴金属表面に結合した硫黄原子を含む有機分子からなる自己組織化単一層が含まれると考えられる。一の実施態様では、銅基材が、例えば浸漬置換めっきによってデポジットされた銀コーティング層で被覆され、有機分子中に存在する硫黄原子が硫黄−銀結合を形成する。一の実施態様では、銅基材が、例えば浸漬置換めっきによってデポジットされた金コーティング層で被覆され、有機分子中に存在する硫黄原子が硫黄−金結合を形成する。硫黄含有化合物は、典型的には、膜により良好な疎水性と、それ故に水と周囲の湿気をより撃退することができる能力とを付与することによって有機保護膜の有効性を高める有機成分を含む。]
[0019] 一の実施態様では、貴金属表面と相互作用し保護する少なくとも1つの官能基を含む有機分子はチオールである。チオールは次の一般構造式(I)を有する。



式中、R1は1炭素原子から約24炭素原子を有するヒドロカルビル、約5から約14炭素原子を有するアリール、或いは1炭素原子から約24炭素原子を有するヒドロカルビル及び約5から約14炭素原子を有するアリールのヒドロカルビルアリールである。好ましくは、ヒドロカルビルは約6と約18との間の炭素原子を含む。好ましくは、アリールは約4と約10との間の炭素原子を含む。該アリールは5員環又は6員環、或いは5員環と6員環又は2つの6員環を含む二環の縮合二環系からなっていてもよい。アリール及びヒドロカルビルは、置換されていても置換されていなくてもよい。典型的な置換基としては、短炭素鎖が分岐した、典型的には1〜4炭素原子、すなわち、メチル、エチル、プロピル及びブチル置換基を有するアルキル基、並びにフェニル、ナフテニルや窒素、酸素及び硫黄を含む芳香族複素環等の芳香族基が挙げられる。
他の置換基としては、アミン、チオール、カルボキシレート、ホスフェート、ホスホネート、スルフェート、スルホネート、ハロゲン、ヒドロキシル、アルコキシ、アリールオキシ、保護されたヒドロキシ、ケト、アシル、アシルオキシ、ニトロ、シアノ、エステル及びエーテルが挙げられる。一の実施態様では、直鎖アルキルはより良好に貴金属表面コーティング上に所望の高密度の圧縮自己組織化単一層を達成するので、R1はヒドロカルビルであり、置換されておらず、直鎖アルキルである。
本発明の組成物で用いるのに適用可能な典型的なアルキルチオールとしては、単独で又は組み合わせで、エタンチオール;1−プロパンチオール;2−プロパンチオール;2−プロペン−1−チオール;1−ブタンチオール;2−ブタンチオール;2−メチル−1−プロパンチオール;2−メチル−2−プロパンチオール;2−メチル−1−ブタンチオール;1−ペンタンチオール;2,2−ジメチル−1−プロパンチオール;1−ヘキサンチオール;1,6−ヘキサンジチオール;1−ヘプタンチオール;2−エチルヘキサンチオール;1−オクタンチオール;1,8−オクタンジチオール;1−ノナンチオール;1,9−ノナンジチオール;1−デカンチオール;1−アダマンタンチオール;1,11−ウンデカンジチオール;1−ウンデカンチオール;1−ドデカンチオール;tert−ドデシルメルカプタン;1−トリデカンチオール;1−テトラデカンチオール;1−ペンタデカンチオール;1−ヘキサデカンチオール;1−ヘプタデカンチオール;1−オクタデカンチオール;1−ノナデカンチオール;及び1−イコサンチオールが挙げられる。]
[0020] 他の好適な実施態様では、R1は芳香族環を含む。またアリールチオールは、貴金属表面コーティング上により高疎水性で高密度に圧縮された自己組織化単一層を達成する。
本発明の組成物で用いるのに適用可能な典型的なアリールチオールとしては、単独で又は組み合わせで、ベンゼンチオール;2−メチルベンゼンチオール;3−メチルベンゼンチオール;4−メチルベンゼンチオール;2−エチルベンゼンチオール;3−エチルベンゼンチオール;4−エチルベンゼンチオール;2−プロピルベンゼンチオール;3−プロピルベンゼンチオール;4−プロピルベンゼンチオール;2−tert−ブチルベンゼンチオール;4−tert−ブチルベンゼンチオール;4−ペンチルベンゼンチオール;4−ヘキシルベンゼンチオール;4−ヘプチルベンゼンチオール;4−オクチルベンゼンチオール;4−ノニルベンゼンチオール;4−デシルベンゼンチオール;ベンジルメルカプタン;2,4−キシレンチオール、フルフリルメルカプタン;1−ナフタレンチオール;2−ナフタレンチオール;及び4,4’−ジメルカプトビフェニルが挙げられる。]
[0021] 一の実施態様では、貴金属表面と相互作用し保護する少なくとも1つの官能基を含む有機分子はジスルフィドである。ジスルフィドは2つのチオールの酸化によって形成することができ、次の構造式(II)を有し得る。



式中、R1及びR2は各々独立して1と約24との間の炭素原子を有するヒドロカルビル、約5と約14との間の炭素原子を有するアリール、或いは1炭素原子から約24炭素原子を有するヒドロカルビル及び約5から約14炭素原子を有するアリールのヒドロカルビルアリールである。好ましくは、ヒドロカルビルは約6と約18との間の炭素原子を含む。好ましくは、アリールは約4と約10との間の炭素原子を含む。該アリールは5員環又は6員環、或いは5員環と6員環又は2つの6員環を含む二環の縮合二環系からなっていてもよい。アリール及びヒドロカルビルは、置換されていても置換されていなくてもよい。
典型的な置換基としては、短炭素鎖が分岐した、典型的には1〜4炭素原子、すなわち、メチル、エチル、プロピル及びブチル置換基を有するアルキル基、並びにフェニル、ナフテニルや窒素、酸素及び硫黄を含む芳香族複素環等の芳香族基が挙げられる。
他の置換基としては、アミン、チオール、カルボキシレート、ホスフェート、ホスホネート、スルフェート、スルホネート、ハロゲン、ヒドロキシル、アルコキシ、アリールオキシ、保護されたヒドロキシ、ケト、アシル、アシルオキシ、ニトロ、シアノ、エステル及びエーテルが挙げられる。一の実施態様では、直鎖アルキルはより良好に貴金属表面コーティング上に所望の高密度の圧縮自己組織化単一層を達成するので、R1及びR2ヒドロカルビルは他の基で置換されておらず、直鎖アルキルである。
本発明の組成物で用いるのに適用可能な典型的なジスルフィドとしては、単独で又は組み合わせで、ジエチルジスルフィド、ジ−n−プロピルジスルフィド、ジイソプロピルジスルフィド、ジアリルジスルフィド、ジ−n−ブチルジスルフィド、ジ−sec−ブチルジスルフィド、ジイソブチルジスルフィド、ジ−tert−ブチルジスルフィド、ジ−n−ペンチルジスルフィド、ジ−ネオペンチルジスルフィド、ジ−n−ヘキシルジスルフィド、ジ−n−ヘプチルジスルフィド、ジ−n−オクチルジスルフィド、ジ−n−ノニルジスルフィド、ジ−n−デシルジスルフィド、ジ−n−ドデシルジスルフィド、ジ−n−トリデシルジスルフィド、ジ−n−テトラデシルジスルフィド、ジ−n−ペンタデシルジスルフィド、ジ−n−ヘキサデシルジスルフィド、ジ−n−ヘプタデシルジスルフィド、ジ−n−オクタデシルジスルフィド、ジ−n−デシルジスルフィド、ジウンデシルジスルフィド、ジドデシルジスルフィド、ジヘキサデシルジスルフィドが挙げられる。]
[0022] 他の好適な実施態様では、R1及びR2は芳香族環を含む。硫黄−硫黄結合が芳香族ジスルフィドのためにより容易に切断されるので、硫黄原子を銀又は金との結合により容易に用いることが可能となる。またアリールチオールは、貴金属表面コーティング上により高疎水性で高密度に圧縮された自己組織化単一層を達成する。本発明の組成物で用いるのに適用可能な典型的なアリールチオールとしては、単独で又は組み合わせで、ジベンジルスルフィド、ジチエニルスルフィド及び2−ナフチルジスルフィドが挙げられる。]
[0023] 貴金属表面と相互作用し保護する少なくとも1つの官能基を含む有機分子を、本発明の表面処理組成物に約0.01質量%(約0.1g/L)と約10質量%(約100g/L)との間の濃度、好ましくは約0.1質量%(約1.0g/L)と約1.0質量%(約10g/L)との間の濃度で添加してもよい。硫黄含有化合物を少なくとも0.1g/Lの量で組成物に添加して適切な領域と表面コーティングの保護とを達成する。約100g/Lの最大濃度は化合物の溶解性に基づく推量であり、従って硫黄化合物の特性に左右されて記載した量より高く又は低くなる可能性がある。好適な組成物では、貴金属表面と相互作用し保護する少なくとも1つの官能基を含む有機分子は、約0.5g/Lと約10.0g/Lとの間、例えば約5.0g/Lの濃度で添加される1−オクタデカンチオールである。]
[0024] 一の実施態様では、銅表面と相互作用し保護する少なくとも1つの官能基を含む有機分子は窒素原子を含む。従って、有機官能基はアミンである。アミンは窒素を含む官能基であり、典型的にはヒドロカルビル、アリール、又は芳香族複素環等の有機官能基に、或いはその一部に結合している。それ故に、適用可能なアミンとしては、第一級アミン、第二級アミン、第三級アミン及び窒素を含む芳香族複素環が挙げられる。該組成物はアミンの組み合わせからなっていてもよい。特定の理論に縛られることなく、アミン官能基の孤立電子対が窒素−銅結合を形成し、それによって銅導電性層上に保護有機膜が形成され、ここで該膜には銅表面及び有機置換基に結合したアミンの窒素原子が含まれると考えられる。]
[0025] 一の実施態様では、アミンは次の一般構造式(III)を有する第一級アミン、第二級アミン、又は第三級アミンである。



式中、R1、R2及びR3は各々独立して水素、又は1と約24との間の炭素原子を有するヒドロカルビルであり、R1、R2及びR3の少なくとも1つは1と約24との間の炭素原子を有するヒドロカルビルである。好ましくは、ヒドロカルビルは約6と約18との間の炭素原子を有する。該ヒドロカルビルは置換されていても置換されていなくてもよい。
典型的な置換基としては、短炭素鎖が分岐した、典型的には1〜4炭素原子、すなわち、メチル、エチル、プロピル及びブチル置換基を有するアルキル基、並びにフェニル、ナフテニルや窒素、酸素及び硫黄を含む芳香族複素環等の芳香族基が挙げられる。他の置換基としては、アミン、チオール、カルボキシレート、ホスフェート、ホスホネート、スルフェート、スルホネート、ハロゲン、ヒドロキシル、アルコキシ、アリールオキシ、保護されたヒドロキシ、ケト、アシル、アシルオキシ、ニトロ、シアノ、エステル及びエーテルが挙げられる。
一の実施態様では、直鎖アルキルを含む第一級アミンはより良好に銅表面上に所望の高密度の圧縮自己組織化単一層を達成するので、R1、R2及びR3の1つのみが置換されていないヒドロカルビルであり、直鎖アルキルである。本発明の組成物で用いるのに適用可能な典型的な第一級アミンとしては、単独で又は組み合わせで、アミノエタン、1−アミノプロパン、2−アミノプロパン、1−アミノブタン、2−アミノブタン、1−アミノ−2−メチルプロパン、2−アミノ−2−メチルプロパン、1−アミノペンタン、2−アミノペンタン、3−アミノペンタン、ネオペンチルアミン、1−アミノヘキサン、1−アミノヘプタン、2−アミノヘプタン、1−アミノオクタン、2−アミノオクタン、1−アミノノナン、1−アミノデカン、1−アミノドデカン、1−アミノトリデカン、1−アミノテトラデカン、1−アミノペンタデカン、1−アミノヘキサデカン、1−アミノヘプタデカン及び1−アミノオクタデカンが挙げられる。]
[0026] 好適な一の実施態様では、銅表面と相互作用し保護する有機官能基は、窒素を含む芳香族複素環である。窒素を含む芳香族複素環が銅導電性層の表面上で銅(I)イオンと相互作用することによって、追加的に銅表面を保護すると考えられる。銅(I)イオンとの相互作用が、銅導電性層の表面上に沈殿する不溶性銅(I)系有機金属を含む膜を形成する。またこの沈殿物は別の反応機構であり、それによってアミン、特に複素環式芳香族アミンが銅導電性層の表面上に保護有機膜を形成すると考えられる。]
[0027] 本発明の組成物に用いるのに適した窒素を含む芳香族複素環は、5員環に窒素を含む(アゾール)。5員環は、窒素原子を含む複素環でもあり得る他の5員環又は6員環と縮合することができる。さらに、芳香族複素環は1つ又はそれ以上の窒素原子を含むことができ、典型的には、該芳香族複素環は1と4との間の窒素原子を含む。アゾールは次の一般構造式(IV)を有し得る。



式中、R1、R2、R3、R4及びR5は炭素及び窒素を含む基から選ばれる原子であり、R1、R2、R3、R4及びR5の1と4との間の基は窒素であり、R1、R2、R3、R4及びR5の1と4との間の基は炭素であり、並びにR11、R22、R33、R44及びR55は各々独立して水素、炭素、硫黄、酸素及び窒素からなる群より選ばれる。]
[0028] 構造式(IV)の1つ又はそれ以上のR11、R22、R33、R44及びR55は、炭素が1と24との間の炭素原子を有する脂肪族基の一部、又は2と14との間の炭素原子を有するアリール基の一部である炭素であってもよい。脂肪族基及びアリール基は、置換されていてもよく、置換されていなくてもよい。該脂肪族基は分岐鎖であっても直鎖であってもよい。特に明記しない限り、置換された脂肪族基又は置換されたアリール基は、炭素以外の少なくとも1つの原子で置換され、炭素鎖原子が窒素、酸素、ケイ素、リン、ホウ素、硫黄、又はハロゲン原子等のヘテロ原子で置換された部分を含む。該脂肪族基又はアリール基は、次の置換基の1つ又はそれ以上で置換されていてもよい:ハロゲン、ヘテロシクロ、アルコキシ、アルケンオキシ、アルキンオキシ、アリールオキシ、ヒドロキシ、保護されたヒドロキシ、ヒドロキシカルボニル、ケト、アシル、アシルオキシ、ニトロ、アミノ、アミド、ニトロ、ホスホノ、シアノ、チオール、ケタール、アセタール、エステル及びエーテル。]
[0029] 構造式(IV)中、隣接するR11、R22、R33、R44及びR55(例えば、R11とR22又はR22とR33)のいずれかの一対は、R1、R2、R3、R4及びR5基によって定義された環が他の環に縮合するように、それらに結合した炭素又は窒素とともに、対応する隣接するR1、R2、R3、R4及びR5(例えば、R11とR22がR1とR2を有する環を形成する)の一対を有する置換された又は非置換のシクロアルキル、或いは置換された非置換のアリール基を形成することができる。この環は、1つ又は2つの窒素原子を含み得る。好ましくは、隣接するR11、R22、R33、R44及びR55、並びに対応する隣接するR1、R2、R3、R4及びR5は6員環の芳香族環を形成する。]
[0030] 一の実施態様では、構造式(IV)のアゾールは置換されていない。本発明の組成物で用いるのに適切な典型的な非置換アゾールを表1に示す。好適な非置換アゾールとしては、イミダゾール、トリアゾール、ピラゾール、ベンズイミダゾール、プリン、イミダゾ[4,5-b]ピリジン及びベンゾトリアゾールが挙げられる。これらの中で、ベンズイミダゾールが特に好ましい。]
[0031] ]
[0032] 一の実施態様では、構造式(IV)のアゾールは置換アゾールである。一の実施態様では、アゾール化合物は置換されたイミダゾールであり、以下の一般構造式(V)を有する。



式中、R22、R44及びR55は、構造式(IV)に関連して定義済みである。]
[0033] 一の実施態様では、アゾール化合物は2−置換イミダゾールであり、次の一般構造式(VI)を有する。



式中、R22は、構造式(IV)に関連して定義済みである。]
[0034] 一の実施態様では、アゾール化合物は2,4−置換イミダゾールであり、次の一般構造式(VII)を有する。



式中、R55は水素又はメチルであってもよく、各々のR基は、水素、アルキル、ハライド、アルコキシ、アルキルアミノ、シアノ及びニトロであってもよい。好ましくは、Aグループは水素又はハライドである。ハライドはクロリド、ブロミド又はアイオダイド(iodide)であってもよく、好ましくはハライドはクロリドである。]
[0035] 一の実施態様では、アゾール化合物はベンズイミダゾール誘導体であり、以下の一般構造式(VIII)を有する。



式中、R22は、構造式(IV)に関連して定義済みであり;
R66、R77、R88及びR99は、独立して水素、ハライド、ニトロ及び置換若しくは非置換のヒドロカルビル、置換若しくは非置換のアルコキシ、置換若しくは非置換のアミノ及びシアノの中から選択される。]
[0036] 構造式(IV)に照らして、ハライドはクロリド、ブロミド及びアイオダイドの中から選択してもよい。好ましくは、ハライドはクロリドである。]
[0037] そのうえ、置換若しくは非置換のヒロドカルビルは、置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のアルケニル、置換若しくは非置換のアルキニル及び置換若しくは非置換のアリールの中から選択してもよい。置換若しくは非置換のヒロドカルビルは、典型的には1〜約25炭素原子、より典型的には、例えば1〜約7炭素原子のように1〜約12炭素原子を有する。ヒドロカルビルは、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、フェニル、又はベンジルであってもよい。典型的な置換若しくは非置換のヒドロカルビルとしては、ニトロ、アミノ、ハライド、シアノ、カルボニル、カルボキシル、ヒドロキシ及びアルコキシが挙げられる。好ましい置換基はハライドであり、クロリド、ブロミド、又はアイオダイドであってもよい。好ましくは、ハライド置換基はクロリドである。]
[0038] さらに、置換若しくは非置換のアルコキシ及び置換若しくは非置換のアミノは、典型的には1〜約25炭素原子、より典型的には、例えば1〜約6炭素原子のように1〜約12炭素原子を有する。置換アルコキシ及び置換アミノの典型的な置換基としては、ニトロ、アミノ、ハライド、シアノ、カルボニル、カルボキシル、ヒドロキシ及びアルコキシが挙げられる。]
[0039] 一の実施態様では、アゾール成分は2−置換ベンズイミダゾールであり、次の一般構造式(IX)を有する。



式中、R22は構造式(IV)に関連して定義済みである。]
[0040] 置換アゾールの典型例としては、2−(3,4−ジクロロベンジル)−ベンズイミダゾール;2−ブロモベンジルベンズイミダゾール;2−ブロモフェニルベンズイミダゾール;2−ブロモエチルフェニルベンズイミダゾール;2−クロロベンジルベンズイミダゾール;2−クロロフェニルベンズイミダゾール;及び2−クロロエチルフェニルベンズイミダゾールが挙げられる。]
[0041] 銅表面と相互作用し保護する少なくとも1つの有機官能基を含む分子は、少なくとも約0.1g/Lの濃度で組成物中に存在してもよい。該濃度は、典型的には腐食保護のための基材の適切な領域を得るために、この最小限の濃度若しくはそれ以上である。典型的には、銅表面と相互作用し保護する少なくとも1つの有機官能基を含む分子の濃度は、少なくとも約1.0g/L、より典型的には少なくとも約4.0g/Lである。銅表面と相互作用し保護する少なくとも1つの有機官能基を含む分子は、組成物中にその溶解度の限界までの濃度で存在してもよい。典型的には、銅表面と相互作用し保護する少なくとも1つの有機官能基を含む分子の濃度は、最大で約10.0g/Lである。従って、銅表面と相互作用し保護する少なくとも1つの有機官能基を含む分子の濃度は、約0.1g/Lから組成物中の溶解度の限界までの間であり、典型的には約1.0g/Lと約10g/Lとの間、より典型的には約4.0g/Lと約10g/Lとの間である。]
[0042] 該組成物は、上述したように、好ましくは有機分子を含む水溶液である。本発明の組成物は、さらにアルコール、界面活性剤及びアルカリ性pH調整剤を含むことができる。]
[0043] アルコールを組成物中に取り込むことは、有機分子の相溶性を向上させる。
適用可能なアルコールとしては、アルコール、ジオール、トリオール及び高級ポリオールが挙げられる。適切なアルコールとしては、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、tert−ブタノール、エチレングリコール、プロパン−1,2−ジオール、ブタン−1,2−ジオール、ブタン−1,3−ジオール、ブタン−1,4−ジオール、プロパン−1,3−ジオール、ヘキサン−1,4−ジオール、ヘキサン−1,5−ジオール、ヘキサン−1,6−ジオール、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、2−プロポキシエタノール、2−ブトキシエタノール等が挙げられる。
そして、ブテン−ジオール、ヘキセン−ジオール及びブチンジオール等のアセチレンのジオール等の不飽和ジオール類が挙げられる。適切なトリオールはグリセロールである。追加的なアルコールとしては、トリエチレングリコール、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、アリルアルコール、フルフリルアルコール及びテトラヒドロフルフリルアルコールが挙げられる。]
[0044] アルコールは、組成物中に少なくとも約10mL/Lの濃度で存在していてもよい。一般的に、アルコールの濃度は少なくとも約100mL/L、より典型的には少なくとも約150mL/Lである。アルコールは、組成物中にその水中での溶解度の限界までの濃度で存在することができる。アルコールだけを含む溶媒系を用いることは、本発明の範囲内である。アルコールが補助溶媒である水性溶媒系では、アルコールの濃度は典型的には約500mL/L未満、より典型的には約200mL/L未満である。従って、アルコール濃度は約10mL/Lと約500mL/Lとの間、典型的には約150mL/Lと約200mL/Lとの間である。]
[0045] 銅及び銀表面のぬれ性を向上させるのに界面活性剤を添加することができる。該界面活性剤は、カチオン性、アニオン性、非イオン性又は両イオン性であってもよい。特定の界面活性剤を単独で、或いは他の界面活性剤と組み合わせて用いてもよい。界面活性剤の1種は親水性先端基及び疎水性末端からなる。
アニオン性界面活性剤に関連する親水性先端基としては、カルボキシレート、スルフォネート、スルフェート、ホスフェート及びホスフォネートが挙げられる。
カチオン性界面活性剤に関連する親水性先端基としては、第四級アミン、スルホニウム及びホスホニウムが挙げられる。第四級アミンとしては、第四級アンモニウム、ピリジニウム、ビピリジニウム及びイミダゾリウムが挙げられる。
非イオン性界面活性剤に関連する親水性先端基としては、アルコール及びアミドが挙げられる。
両イオン性界面活性剤に関連する親水性先端基としては、ベタインが挙げられる。疎水性末端は、典型的には炭化水素鎖からなる。該炭化水素鎖は典型的には約6と約24との間の炭素原子、より典型的には約8から約16の間の炭素原子を含む。]
[0046] 典型的なアニオン性界面活性剤としては、アルキルホスホネート、アルキルエーテルホスフェート、アルキルスルフェート、アルキルエーテルスルフェート、アルキルスルホネート、アルキルエーテルスルホネート、カルボン酸エーテル、カルボン酸エステル、アルキルアリールスルホネート及びスルホサクシネートが挙げられる。
アニオン性界面活性剤としては、ソディウムラウリルスルフェート、ソディウムラウレススルフェート(2EO)、ソディウムラウレス、ソディウムラウレススルフェート(3EO)、アンモニウムラウリルスルフェート、アンモニウムラウレススルフェート、TEA−ラウリルスルフェート、TEA−ラウレススルフェート、MEA−ラウリルスルフェート、MEA−ラウレススルフェート、ポタジウムラウリルスルフェート、ポタジウムラウレススルフェート、ソディウムデシルスルフェート、ソディウムオクチル/デシルスルフェート、ソディウム2−エチルヘキシルスルフェート、ソディウムオクチルスルフェート、ソディウムノンオキシノール−4スルフェート、ソディウムノンオキシノール−6スルフェート、ソディウムクメンスルフェート及びアンモニウムノンオキシノール−6スルフェートを含むULTRAFAX社が市販しているもの等のスルフェートエステル;ソディウムα−オレフィンスルホネート、アンモニウムキシレンスルホネート、ソディウムキシレンスルホネート、ソディウムトルエンスルホネート、ドデシルベンゼンスルホネート及びリグノスルホネート等のスルホネートエステル;ジソディウムラウリルスルホサクシネート、ジソディウムラウレススルホサクシネート等のスルホサクシネート界面活性剤;及びソディウムココイルイセチオネート、ラウリルホスフェート、ホスフェートエステルのULTRAPHOSシリーズ、Cytec社から入手可能なCyastat(登録商標)609(N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−N−(3'−ドデシルオキシ−2'−ヒドロキシプロピル)メチルアンモニウムメトスルフェート)及びCyastat(登録商標)LS((3−ラウラミドプロピル)トリメチルアンモニウムメチルスルフェート)を含む他のものが挙げられる。]
[0047] 典型的なカチオン性界面活性剤としては、ドデシルトリメチルアンモニウムクロリド、臭素及び塩素のセチルトリメチルアンモニウム塩、臭素及び塩素のヘキサデシルトリメチルアンモニウム塩、塩素及び臭素のアルキルジメチルベンジルアンモニウム塩等のような第四級アンモニウム塩が挙げられる。この点、Lodyne 106A(フルオロアルキルアンモニウムクロリドカチオン性界面活性剤28〜30%)及びAmmonyx 4002(オクタデシルジメチルベンジルアンモニウムクロリドカチオン性界面活性剤)等の界面活性剤が特に好ましい。]
[0048] 好適な一の実施態様では、界面活性剤は非イオン性である。非イオン性界面活性剤の種類としては、例えばエチレンオキシド(EO)繰り返し単位及び/又はプロピレンオキシド(PO)繰り返し単位を基にしたポリエーテル基を含むものが挙げられる。これらの界面活性剤は一般的に非イオン性である。
ポリエーテル鎖を有する界面活性剤は、約1と約36との間のEO繰り返し単位、約1と約36との間のPO繰り返し単位、又は約1と約36との間のEO繰り返し単位とPO繰り返し単位との組み合わせを有していてもよい。より典型的には、ポリエーテル鎖は、約2と約24との間のEO繰り返し単位、約2と約24との間のPO繰り返し単位、又は約2と約24との間のEO繰り返し単位とPO繰り返し単位との組み合わせからなる。
さらに典型的には、ポリエーテル鎖は、約6と約15との間のEO繰り返し単位、約6と約15との間のPO繰り返し単位、又は約6と約15との間のEO繰り返し単位とPO繰り返し単位との組み合わせからなる。これらの界面活性剤はEO繰り返し単位とPO繰り返し単位とのブロック、例えば2つのPO繰り返し単位のブロックによって取り囲まれた1つのEO繰り返し単位のブロック、或いは2つのEO繰り返し単位のブロックによって取り囲まれた1つのPO繰り返し単位のブロックを含んでいてもよい。ポリエーテル界面活性剤の他の種類は、交互PO及びEO繰り返し単位からなる。これら界面活性剤の種類の中には、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール及びポリプロピレングリコール/ポリエチレングリコールがある。]
[0049] さらに非イオン性界面活性剤の他の種類は、グリセロールエーテル、ブタノールエーテル、ペンタノールエーテル、エキサノールエーテル、ヘプタノールエーテル、オクタノールエーテル、ノナノールエーテル、デカノールエーテル、ドデカノールエーテル、テトラデカノールエーテル、フェノールエーテル、アルキル置換フェノールエーテル、α−ナフトールエーテル及びβ−ナフトールエーテル等のアルコール又はフェノール基準基に基づくEO、PO、又はEO/PO繰り返し単位を含む。アルキル置換フェノールエーテルに関しては、フェノール基は、約8の炭素原子(オクチルフェノール)又は約9の炭素原子(ノニルフェノール)等の、約1と約10との間の炭素原子を有する炭化水素鎖で置換されている。ポリエーテル鎖は、約1と約24との間のEO繰り返し単位、約1と約24との間のPO繰り返し単位、又は約1と約24との間のEO及びPO繰り返し単位の組み合わせからなる。より典型的には、ポリエーテル鎖は、約8と約16との間のEO繰り返し単位、約8と約16との間のPO繰り返し単位、又は約8と約16との間のEO及びPO繰り返し単位の組み合わせからなる。さらにより典型的には、ポリエーテル鎖は、約9、約10、約11、又は約12のEO繰り返し単位;約9、約10、約11、又は約12のPO繰り返し単位;或いは約9、約10、約11、又は約12のEO繰り返し単位及びPO繰り返し単位の組み合わせからなる。]
[0050] 典型的なβ−ナフトール誘導体非イオン性界面活性剤はLugalvan BNO12であり、これはナフトールヒドロキシ基に結合した12エチレンオキシドモノマー単位を有するβ−ナフトールエトキシレートである。類似の界面活性剤はPolymax NPA-15であり、これはポリエトキシレート化ノニルフェノールである。他の界面活性剤はTriton(登録商標)-X100であり、これは典型的にはおよそ9又は10のEO繰り返し単位を有するオクチルフェノールエトキシレートである。追加的な入手可能である非イオン性界面活性剤としては、BASFから入手可能であるPluronic(登録商標)シリーズの界面活性剤が挙げられる。Pluronic(登録商標)界面活性剤としては、BASFから入手可能なP65、P84、P85、P103、P104、P105及びP123を含むEO/POブロック共重合体のPシリーズ;BASFから入手可能なF108、F127、F38、F68、F77、F87、F88、F98を含むEO/POブロック共重合体のFシリーズ;及びBASFから入手可能なL10、L101、L121、L31、L35、L44、L61、L62、L64、L81及びL92を含むEO/POブロック共重合体のLシリーズが挙げられる。]
[0051] 入手可能である追加的な非イオン性界面活性剤としては、水溶性でエトキシレート化非イオン性フルオロ界面活性剤である、Zonyl(登録商標)FSN(ポリエチレングリコール非イオン性界面活性剤を有するTelomar Bモノエーテル)、Zonyl(登録商標)FSN-100、Zonyl(登録商標)FS-300、Zonyl(登録商標)FS-500、Zonyl(登録商標)FS-510、Zonyl(登録商標)FS-610、Zonyl(登録商標)FSP及びZonyl(登録商標)URを含むデュポンから入手可能な商品名Zonyl(登録商標)が挙げられる。他の非イオン性界面活性剤としては、ココアミドDEA及びココアミドMEA等のULTRAFAX社が市販しているアミン凝縮物が挙げられる。非イオン性界面活性剤の他の種類としては、典型的には約1と約36との間のEO繰り返し単位を有するポリエーテル基でエステル化された脂肪酸を含む酸エトキシ化脂肪酸(ポリエトキシ−エステル)が挙げられる。グリセロールエステルは、1グリセロール基準で1つ、2つ、又は3つの脂肪酸基を有している。]
[0052] 界面活性剤は、好適な組成物中に少なくとも約0.01g/Lの濃度で存在することができる。多くの界面活性剤が非常に低い濃度で効果的なぬれ性をもたらす。最小限の濃度は、適切なぬれ性を達成するように調整することができ、それは一つには界面活性剤の特性に依存する。一般的に、界面活性剤の濃度は少なくとも0.1g/L、より典型的には少なくとも約0.5g/Lである。該界面活性剤は、約10.0g/L未満の濃度で耐腐食性組成物中に存在することができる。一般的には、界面活性剤の濃度は約5.0g/L未満、より典型的には約2.0g/L未満である。]
[0053] 本発明の組成物は、好ましくは約1.0と約12.0との間のpH、典型的には約7.0と約11.0との間のpHを有する。アルカリ性溶液中では保護有機コーティングの形成が酸性溶液中よりもより迅速になるので、該組成物は好ましくはアルカリ性である。アルカリ性調整は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化テトラエチルアンモニウム等の第四級アミンの水酸化物のようなアルカリ性pH調整剤を用いて達成される。一般的に、アルカリ性pH調整剤の濃度は所望のアルカリ性pHを達成するのに充分であって、約0.01g/Lと約10.0g/Lとの間、典型的には約0.01g/Lと約2.0g/Lとの間、より典型的には約0.1g/Lと約0.5g/Lとの間の濃度であってもよい。]
[0054] 特に好適な一の実施態様では、該組成物は水酸化アルカリ金属を含まず、ナトリウムテトラボレート等の代替剤だけをpH調整に用いる。]
[0055] 本発明のもう一つの特徴は、その表面上に貴金属コーティングを有するはんだ性銅基材の耐腐食性を向上させる方法を対象とする。該方法は、その表面上に貴金属コーティングを有する銅基材を、銅表面と相互作用し保護する少なくとも1つの有機官能基を含む分子と、貴金属表面と相互作用し保護する少なくとも1つの有機官能基を含む分子とを含む組成物に暴露することを必要とする。]
[0056] 一の実施態様では、貴金属コーティングは銀を含む。該銀コーティング層は、当業界で既知の浸漬めっき銀コーティング法によって銅基材上にデポジットすることができる。例えば、参照することにより本明細書に全て取り込まれる米国特許第2006/0024430号公報に記載された、浸漬めっき銀で銅基材をコーティングする方法が適用可能である。浸漬銀コーティング用の市販の化学物質としては、エントン社(ウェストヘーブン、コネティカット州)から入手できるAlphaSTAR(登録商標)が挙げられる。]
[0057] 一の実施態様では、貴金属コーティングは金を含む。該金コーティング層は、当業界で既知の浸漬めっき金コーティング法によって銅基材上にデポジットすることができる。典型的には、浸漬めっき金コーティングを卑金属下層上にデポジット、すなわち銅基材上に直接デポジットする。典型的な卑金属下層としては、ニッケル層及びコバルト層が挙げられ、各々無電解デポジットによってデポジットすることができる。例えば、無電解ニッケル下層上の浸漬金コーティングデポジット用の市販の化学物質は、エントン社(ウェストヘーブン、コネティカット州)から入手できるSEL-REX(登録商標)Selectである。]
[0058] 該組成物は、いかなる方法でも基材表面の適切な領域を充分に得るのに適用することができる。適切とは、暴露方法が、はだか銅の領域、例えば、浸漬銀仕上げされたPCB基材において高アスペクト比ブラインドビアで孔を介してめっきされた銅−銀界面や、浸漬銀コーティング中に存在する穴を組成物で被覆するのを確実にすることを意味する。適切な領域は、銅及び貴金属表面上に保護有機膜を充分に形成する方法で、組成物中の分子がはだか銅表面及び貴金属表面と相互作用できるのを確実にする。水浸しにする、さっと浸ける、滝のようにたらす、又は噴霧することによって暴露することができる。典型的な暴露時間は、約30秒と約120秒との間、又は約30秒と約60秒との間のように、少なくとも約10秒であってもよい。従って、本発明の方法は急速な基板コーティングを達成する。組成物の温度は、約20℃と約45℃との間、又は約25℃と約45℃との間のように、室温から約55℃までの間で変化し得る。はだか銅領域のコーティングへの暴露を強化するために、例えば、ガス洗浄、ブラッシング、スクィージング、かき混ぜ、攪拌等によって暴露してもよい。銅基材を組成物に暴露した後、典型的には約10秒から約2分の間で脱イオン水を用いて、基材をすすいでもよい。]
[0059] 本発明のもう一つの特徴は、はんだ性銅基材上にデポジットした浸漬めっき銀コーティング上に適用した保護有機膜を対象とする。その上に浸漬めっき銀コーティングを有する銅基材の本発明の組成物への暴露は、銀表面及び露出した銅表面の双方上に保護有機膜をもたらす。保護有機膜は、銅表面と相互作用し保護する少なくとも1つの有機官能基を含む分子と、銀表面と相互作用し保護する少なくとも1つの有機官能基を含む分子との双方を含む。この保護有機膜の描写を図1に示しており、ここでは保護有機膜を構成する分子の官能基が、銅基材と浸漬銀コーティングとの双方と相互作用すること、例えば、アゾールが銅表面と相互作用して保護し、メルカプタン基が銀層と相互作用して保護することが示されている。] 図1
[0060] 該分子は、自己組織化吸着によって銅及び貴金属表面上で相互作用し、保護有機膜を形成する。従って、該分子は銅表面及び銀表面上の単一層の中に自己組織化する。従って、該有機保護膜は、大気中の湿気に対して強化された保護をもたらすことができるのと同様に、浸漬銀コーティングの腐食及び硫化に対する耐性を強化する比較的高密度で疎水性の膜である。]
[0061] 本発明の保護有機膜は、特に無鉛リフロー時に一般に到達する温度に対する高い熱的安定性によって特徴づけることができる。本発明の保護有機コーティングは、示査走査熱量測定及び熱重量分析によって示されるように、従来の有機コーティング(OSP等)に比べ、リフロー温度により良好に耐えることができる。例えば、保護有機コーティングは、約254℃と同じ高さの温度で安定である一方、膜のたった5%が274℃と同じ高さの温度で破壊される。これは、典型的には約230℃と約240℃との間の温度でリフローされるスズ鉛共晶はんだに適した典型的なリフロー温度に対して同等に好都合である。さらに、保護有機コーティングは多段無鉛リフロー工程に耐えることができる。]
[0062] 最終的に、保護有機コーティングは、銅基材の外観及びはんだ性に対して害のある影響を与えないことがわかった。はんだ性は湿潤バランス試験と接触抵抗によって示される。]
[0063] 詳細に本発明を記載すれば、添付した特許請求の範囲に定義された発明の範囲からはずれることなく修正及び変更が可能であることは明らかである。]
[0064] 実施例1:銅基材上の浸漬銀めっき
銅被覆FR−4ラミネート基材を、AlphaSTAR(登録商標)化学品(エントン社、ウェストヘーブン、コネティカット州から入手)を用いた浸漬銀の層でめっきした。銅被覆FR−4ラミネート基材は、
銀イオン(3.0g/L)
AlphaSTAR(登録商標)添加剤(300mL/L)
バランス水
を含む浸漬銀めっき浴にさっと浸した。]
[0065] 銅被覆FR−4ラミネート基材を3分間浸漬銀めっき浴にさっと浸して、銅被覆材上に銀薄層をデポジットし、銀層は約0.2μmの厚みを有していた。新たな銀めっきラミネート基材の写真を図2Aに示す。該写真は光沢のある銀コーティングを示している。] 図2A
[0066] 実施例2:銅基材上の浸漬めっき銀コーティングの硫化水素多孔性試験
実施例1の新たな銀めっき銅被覆FR−4ラミネート基材を、硫化雰囲気中10分間で多孔性試験に課した。この試験において、基材を各々硫黄含有ガスを含む2つの周囲の雰囲気にさらした。第1のガラスデシケータ(内径150mm)では、内容物に6%の亜硫酸溶液150mLを含むビーカーを配置し、デシケータを密封することによって、SO2気体を放出させた。第2のガラスデシケータ(内径150mm)では、内容物に23.5%の(NH4)2Sの100mL蒸留水溶液を1mL含むビーカーを配置し、デシケータを密封することによって、H2S気体を放出させた。該試験は、最初の24時間SO2気体を含むデシケータにラミネート基材を配置し、次いでH2S気体を含むデシケータにラミネート基材を配置することによって実施した。]
[0067] ラミネート基材の写真をH2S露出の2分後(図2B)、H2S露出の5分後(図2C)及びH2S露出の10分後(図2D)に撮った。ラミネート基材中の銅は、硫化銀(AgSx)、酸化銅(CuOx)及び硫化銅(CuSx)の形成のために次第に退色してきた。従って、自己制御式浸漬めっき銀コーティングが、銅を腐食から保護するのに充分ではないおそれがあることは明らかである。] 図2B 図2C 図2D
[0068] 実施例3:メルカプタン化合物を含む保護有機コーティングの銅基材上の浸漬めっき銀コーティングへの適用
実施例1に示す方法によって、3つの銅被覆FR−4ラミネート基材をAlphaSTAR(登録商標)化学品を用いてめっきした。該銅被覆FR−4ラミネート基材をメルカプタン化合物を含む市販の後処理組成物中にさっと浸した。後処理組成物はエバブライト(Evabrite)WS(登録商標)(エントン社、ウェストヘーブン、コネティカット州から入手)であった。該後処理組成物は次の成分を含んでいた。
1質量%/volのエバブライト(Evabrite)WS(登録商標)添加剤
バランス水]
[0069] ラミネート基材を表2に示すパラメータに従って浸漬した。浸漬した後、エバブライト(Evabrite)WS(登録商標)で被覆した銀めっきラミネート基材の表面上の銀、炭素、酸素及び硫黄の各々の元素の相対的原子%を、X線光電子分光法によって測定した。結果を表3に示す。]
[0070] ]
[0071] ]
[0072] 硫黄及び炭素の相対的原子%によれば、メルカプタンの表面領域は、浸漬時間を30秒から5分に増やすことによっては充分に増大しなかった。さらに、5分間の浸漬時間は、30秒の浸漬時間に比べ、表面酸素において相当量の減少を引き起こさなかった。従って、効果的なメルカプタンコーティングはわずか30秒で適用できる。]
[0073] 銀めっきラミネート基材を50℃でエバブライト(Evabrite)WS(登録商標)に浸漬した際、硫黄の相対的原子%によって測定されたように、表面領域は少なくとも50%増大した。さらに、ラミネート基材を50℃で組成物に浸漬した場合、表面酸素原子%が充分に減少した。特定の理論に縛られることなく、より高い温度が銀コーティング上のメルカプタン自己組織化単一層の形成を触媒するものと考えられる。すなわち、より高い温度が銀原子と硫黄との間で化学結合の形成を触媒し、かつ銀原子と酸素との間で結合開裂を触媒した。さらに、より高い温度が組成物の表面張力を減じ、それがより良好なぬれ性、ひいてはメルカプタン分子による銀孔へのより良好な浸透性をもたらすと考えられる。より良子な孔浸透性を有することは、銀孔を介する銅原子の移動を遮断し、銅酸化を抑制するものと判断され得る。]
[0074] 実施例4:非被覆銀めっきラミネート基材とメルカプタン被覆銀めっきラミネート基材との硫化水素多孔性試験
腐食に対して銀めっきラミネート基材を保護するためにエバブライト(Evabrite)WS(登録商標)を用いることの有効性を測定するため、実施例3のラミネート基材1と、実施例1の方法に従って後処理せずにめっきした新たな銀めっきラミネート基材とを、実施例2で記載したように10分間H2S多孔性試験に課した。未処理の銀めっきラミネート基材の写真を図3A、エバブライト(Evabrite)WS(登録商標)処理した銀めっきラミネート基材の写真を図3Bに示す。エバブライト(Evabrite)WS(登録商標)処理した銀めっきラミネート基材は光沢のある銀色を保持する一方、未処理の銀めっきラミネート基材は光沢を失って退色した。] 図3A 図3B
[0075] 実施例5:メルカプタン官能基を含む化合物を含有する後処理組成物
次の成分を有する後処理組成物を調製した。
0.08質量%/volの1−オクタデカンチオール
バランス水]
[0076] 実施例6:窒素を含む芳香族複素環を含む化合物を含有する後処理組成物
次の成分を有する後処理組成物を調製した。
0.09質量%/volの2−(3,4−ジクロロベンジル)−ベンズイミダゾール
バランス水]
[0077] 実施例7:窒素を含む芳香族複素環を含む化合物と、メルカプタン官能基を含む化合物とを含有する後処理組成物
次の成分を有する後処理組成物を調製した。
1質量%/volのエバブライト(Evabrite)WS(登録商標)添加剤
0.09質量%/volの2−(3,4−ジクロロベンジル)−ベンズイミダゾール
バランス水]
[0078] 実施例8:未処理のものと後処理した銀めっき銅試験片との硫化水素多孔性試験
複数の浸漬銀めっき銅被覆FR−4ラミネート基材を実施例2で記載したようにH2S多孔性試験(45分間H2S気体に暴露)に課した。浸漬銀めっき銅被覆FR−4ラミネート基材を放置するか、或いは実施例3,5,6及び7に記載の組成物で後処理した。表4は、実施例番号に従った後処理組成物によって特定される試験片と、H2S多孔性試験45分後の試験片の外観を示す。写真(図4A〜4F)は、H2S多孔性試験45分後の各試験片を撮ったものである。] 図4A 図4B 図4C 図4D 図4E 図4F
[0079] ]
[0080] 図4E及び4Fに記載された試験片8及び9は、H2Sへの暴露45分後でさえ、ほとんど若しくは全く変色を示さなかった。従って、高められた温度でのメルカプタンの適用、或いはメルカプタン及び窒素を含む芳香族複素環の適用を採用した後処理方法は、たとえ高い腐食環境条件下でも変色を抑制する効果的な方法である。] 図4E
[0081] 実施例9:未処理のものと後処理した銀めっき銅試験片との硫化水素多孔性試験後の乾燥試験
6つの浸漬銀めっき銅被覆FR−4ラミネート基材を、実施例8における試験片4〜9のように同じ方法で、未処理とするか或いは後処理した。6つの浸漬銀めっき銅被覆FR−4ラミネート基材をH2S多孔性試験(45分間H2S気体に暴露)に課し、続いて250℃から257℃で5分間乾燥した。写真(図5A〜5E)はこの処理後の各ラミネート基材を撮ったものである。図5Dに記載された、メルカプタンと窒素を含む芳香族複素環とで処理したラミネート基材は、他の後処理物に比べて最も少ない退色/腐食を明示した。] 図5A 図5B 図5C 図5D 図5E
[0082] 上記から鑑みて、本発明の数々の目的が達成され、他の有利な結果が獲得されたことがわかるであろう。]
[0083] 本発明の要素或いはその好適な実施態様を導入する際、「ある」、「該」及び「前記」なる記載は、1つ若しくはそれ以上の要素があるのを意味することを意図している。例えば、明細書及び特許請求の範囲で称する「ある」層は、1つ或いはそれ以上の層が存在し得ることを意味する。「含む」、「挙げられる」及び「有する」なる用語は、包括的であり、列挙した要素以外に追加的な要素があり得ることを意味する。]
[0084] 本発明の範囲を逸脱することなく、上述における種々の変更をなすことができるように、上述の明細書及び示された付随の図面中に含まれる内容は、実例であって制限されるものではないと解釈されるであろうことを意図している。]
权利要求:

請求項1
銅又は銅合金基材の表面上に貴金属を含む金属表面層をデポジットする工程;並びにその上に金属表面層を有する銅又は銅合金基材を、(a)貴金属表面と相互作用し、かつ保護する少なくとも1つの官能基を含む第一有機分子、(b)銅表面と相互作用し、かつ保護する少なくとも1つの官能基を含む第二有機分子、及び(c)界面活性剤を含む水性組成物に暴露する工程を含む、銅又は銅合金基材の表面の耐腐食性を向上させる方法。
請求項2
前記金属表面層が、浸漬置換めっき工程によってデポジットされ、かつ該金属表面層が銀、金又はこれらの組み合わせを含む請求項1に記載の方法。
請求項3
前記第一有機分子が、チオール(メルカプタン)、ジスルフィド、チオエーテル、チオアルデヒド、チオケトン及びこれらの組み合わせからなる群より選ばれる請求項1又は2に記載の方法。
請求項4
前記第一有機分子が、次の一般構造式(I)を有するチオールである請求項3に記載の方法;(式中、R1は1と約24との間の炭素原子を有するヒドロカルビル、又は約5と約14との間の炭素原子を有するアリールのいずれか一方である。)。
請求項5
前記チオールが、エタンチオール、1−プロパンチオール、2−プロパンチオール、2−プロペン−1−チオール、1−ブタンチオール、2−ブタンチオール、2−メチル−1−プロパンチオール、2−メチル−2−プロパンチオール、2−メチル−1−ブタンチオール、1−ペンタンチオール、2,2−ジメチル−1−プロパンチオール、1−ヘキサンチオール、1,6−ヘキサンジチオール、1−ヘプタンチオール、2−エチルヘキサンチオール、1−オクタンチオール、1,8−オクタンジチオール、1−ノナンチオール、1,9−ノナンジチオール、1−デカンチオール、1−アダマンタンチオール、1,11−ウンデカンジチオール、1−ウンデカンチオール、1−ドデカンチオール、tert−ドデシルメルカプタン、1−トリデカンチオール、1−テトラデカンチオール、1−ペンタデカンチオール、1−ヘキサデカンチオール、1−ヘプタデカンチオール、1−オクタデカンチオール、1−ノナデカンチオール及び1−イコサンチオール、並びにこれらの組み合わせからなる群より選ばれる請求項4に記載の方法。
請求項6
前記チオールが、ベンゼンチオール、2−メチルベンゼンチオール、3−メチルベンゼンチオール、4−メチルベンゼンチオール、2−エチルベンゼンチオール、3−エチルベンゼンチオール、4−エチルベンゼンチオール、2−プロピルベンゼンチオール、3−プロピルベンゼンチオール、4−プロピルベンゼンチオール、2−tert−ブチルベンゼンチオール、4−tert−ブチルベンゼンチオール、4−ペンチルベンゼンチオール、4−ヘキシルベンゼンチオール、4−ヘプチルベンゼンチオール、4−オクチルベンゼンチオール、4−ノニルベンゼンチオール、4−デシルベンゼンチオール、ベンジルメルカプタン、2,4−キシレンチオール、フルフリルメルカプタン、1−ナフタレンチオール、2−ナフタレンチオール、4,4’−ジメルカプトビフェニル及びこれらの組み合わせからなる群より選ばれる請求項4に記載の方法。
請求項7
前記第一有機分子が、次の構造式(II)を有するジスルフィドである請求項3に記載の方法;(式中、R1及びR2は各々独立して1と約24との間の炭素原子を有するヒドロカルビル、又は約5と約14との間の炭素原子を有するアリールのいずれか一方である)。
請求項8
前記ジスルフィドが、ジエチルジスルフィド、ジ−n−プロピルジスルフィド、ジイソプロピルジスルフィド、ジアリルジスルフィド、ジ−n−ブチルジスルフィド、ジ−sec−ブチルジスルフィド、ジイソブチルジスルフィド、ジ−tert−ブチルジスルフィド、ジ−n−ペンチルジスルフィド、ジ−ネオペンチルジスルフィド、ジ−n−ヘキシルジスルフィド、ジ−n−ヘプチルジスルフィド、ジ−n−オクチルジスルフィド、ジ−n−ノニルジスルフィド、ジ−n−デシルジスルフィド、ジ−n−ドデシルジスルフィド、ジ−n−トリデシルジスルフィド、ジ−n−テトラデシルジスルフィド、ジ−n−ペンタデシルジスルフィド、ジ−n−ヘキサデシルジスルフィド、ジ−n−ヘプタデシルジスルフィド、ジ−n−オクタデシルジスルフィド、ジ−n−デシルジスルフィド、ジウンデシルジスルフィド、ジドデシルジスルフィド、ジヘキサデシルジスルフィド、ジベンジルジスルフィド、ジチエニルジスルフィド、2−ナフチルジスルフィド及びこれらの組み合わせからなる群より選ばれる請求項7に記載の方法。
請求項9
前記第二有機分子が、第一級アミン、第二級アミン、第三級アミン、窒素を含む芳香族複素環及びこれらの組み合わせからなる群より選ばれる請求項1〜8のいずれかに記載の方法。
請求項10
前記第二有機分子が、次の一般構造式(III)を有する第一級アミン、第二級アミン、又は第三級アミンである請求項9に記載の方法;(式中、R1、R2及びR3は各々独立して水素又は1と約24との間の炭素原子を有するヒドロカルビルであり、R1、R2及びR3の少なくとも1つが1と約24との間の炭素原子を有するヒドロカルビルである。)。
請求項11
前記アミンが、アミノエタン、1−アミノプロパン、2−アミノプロパン、1−アミノブタン、2−アミノブタン、1−アミノ−2−メチルプロパン、2−アミノ−2−メチルプロパン、1−アミノペンタン、2−アミノペンタン、3−アミノペンタン、ネオ−ペンチルアミン、1−アミノヘキサン、1−アミノヘプタン、2−アミノヘプタン、1−アミノオクタン、2−アミノオクタン、1−アミノノナン、1−アミノデカン、1−アミノドデカン、1−アミノトリデカン、1−アミノテトラデカン、1−アミノペンタデカン、1−アミノヘキサデカン、1−アミノヘプタデカン、1−アミノオクタデカン及びこれらの組み合わせからなる群より選ばれる請求項9に記載の方法。
請求項12
前記第二有機分子が、次の一般構造式(IV)を有するアゾールである請求項9に記載の方法;(式中、R1、R2、R3、R4及びR5は炭素及び窒素を含む基から選ばれる原子であり、R1、R2、R3、R4及びR5の1と4との間の基は窒素であり、R1、R2、R3、R4及びR5の1と4との間の基は炭素であり、並びにR11、R22、R33、R44及びR55は各々独立して水素、炭素、硫黄、酸素及び窒素からなる群より選ばれる。)。
請求項13
前記アゾールが、ピロール(1H−アゾール)、イミダゾール(1,3−ジアゾール)、ピラゾール(1,2−ジアゾール)、1,2,3−トリアゾール、1,2,4−トリアゾール、テトラゾール、イソインドール、インドール(1H−ベンゾ[b]ピロール)、ベンズイミダゾール(1,3−ベンゾジアゾール)、インダゾール(1,2−ベンゾジアゾール)、1H−ベンゾトリアゾール、2H−ベンゾトリアゾール、イミダゾ[4,5−b]ピリジン、プリン(7H−イミダゾ(4,5−d)ピリミジン、ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン、トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン及びこれらの組み合わせからなる群より選ばれる請求項12に記載の方法。
請求項14
前記アゾールが、2−(3,4−ジクロロベンジル)−ベンズイミダゾール、2−ブロモベンジルベンズイミダゾール、2−ブロモフェニルベンズイミダゾール、2−ブロモエチルフェニルベンズイミダゾール、2−クロロベンジルベンズイミダゾール、2−クロロフェニルベンズイミダゾール、2−クロロエチルフェニルベンズイミダゾール及びこれらの組み合わせからなる群より選ばれる請求項12に記載の方法。
請求項15
(a)チオール(メルカプタン)、ジスルフィド、チオエーテル、チオアルデヒド、チオケトン及びこれらの組み合わせからなる群より選ばれ、約1g/Lと約10g/Lとの間の濃度であって、貴金属表面と相互作用し、かつ保護する第一有機分子、(b)第一級アミン、第二級アミン、第三級アミン、窒素を含む芳香族複素環及びこれらの組み合わせからなる群より選ばれ、約1g/Lと約10g/Lとの間の濃度であって、銅表面と相互作用し、かつ保護する第二有機分子、並びに(c)界面活性剤を含む、銅又は銅合金基材の表面上に銀及び/又は金コーティングを有する銅又は銅合金基材の表面の耐腐食性を向上させるための組成物。
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